Gitで、変更してないのにバイナリファイルに差分が出た場合の対処法

問題の概要

Gitでバイナリファイル(例:フォントファイル)をリモートリポジトリから取得した際に、変更していないにもかかわらず差分が発生してしまう現象があります。git status コマンドで差分が表示されるが、ファイルの内容自体に変更はない場合、特定の設定や環境が原因となっている可能性があります。
この現象は特に以下のような環境で発生しやすいです。

  • macOSとWindows間でのリポジトリ移行
  • ファイルシステムが大文字小文字を区別しない場合
  • 改行コード(LF/CRLF)の自動変換設定が有効になっている場合

✅ 原因の考察:

  1. 改行コードの変換:
  • core.autocrlftrue または input に設定されている場合、Gitが改行コードを自動変換してしまい、バイナリファイルが破損することがあります。
  1. ファイルモードの違い:
  • macOS/Linux 環境で core.filemodetrue に設定されている場合、ファイルの実行権限の変更が差分として検出されることがあります。
  1. 大文字小文字の区別:
  • ファイルシステムが大文字小文字を区別しない設定の場合、OpenSans-SemiBold.ttfOpenSans-Semibold.ttf が同じファイルとして認識され、差分として扱われる可能性があります。
  1. キャッシュの不整合:
  • Gitのインデックスが壊れている場合、不要な差分が表示されることがあります。

✅ 解決方法

今回のケースでは、git update-index --skip-worktree コマンドを用いることで問題を回避できました。

✅ コマンド:

# 差分を無視する設定
git update-index --skip-worktree html/template/FruitBouquetShop/assets/fonts/OpenSans-SemiBold.ttf

これにより、このファイルに差分が発生しても git status に表示されなくなります

✅ 設定を解除する場合:

# 差分の無視設定を解除
git update-index --no-skip-worktree html/template/FruitBouquetShop/assets/fonts/OpenSans-SemiBold.ttf

✅ その他の対処方法

以下の対策も試しましたが、今回のケースでは効果がありませんでした。

  1. .gitattributes ファイルでバイナリファイル設定:
html/template/FruitBouquetShop/assets/fonts/*.ttf -text
  1. .git/info/exclude 設定:
html/template/FruitBouquetShop/assets/fonts/*.ttf
  1. core.autocrlf 設定:
git config --global core.autocrlf false
  1. core.filemode 設定:
git config --global core.filemode false
  1. git config core.ignorecase false 設定:
git config --global core.ignorecase false
  1. Gitのキャッシュの確認とリセット:
git update-index --refresh
git fsck

✅ まとめ

  • 改行コードの自動変換 (core.autocrlf) が有効だと、バイナリファイルが破損する可能性がある。
  • ファイルモード (core.filemode) の設定が true だと、パーミッション変更が差分として認識される。
  • skip-worktree を使用することで、特定のファイルの差分を無視することができる。
  • 他にも .gitattributes やキャッシュのリセットなどがあるが、状況によって適用が異なる。

今回のケースでは、git update-index --skip-worktree を適用することで差分の無視ができたが、他の設定も合わせて確認することが重要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください